「読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊」は、1992年に岩波書店によって作成された小冊子です。識者が選ぶ100冊のリストと、それにまつわるエッセイが掲載されていました。1961年の「100冊の本」や1974年の「新選100冊の本」の発展形と捉えていいでしょう。「100冊の本」や「新選100冊の本」と比べ、白帯(帯についての説明はこちらの記事へ) の数がぐっと少なくなり、かわりに赤帯や青帯が増え、世相を反映したものになっています。また、誰もがタイトルだけなら聞いたことがある古典が多く、これから読書通を目指そうと考えている人が「まずこの100冊から」と取り組むのに適しているように思えます。
なお、このブログでは「読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊」を「達人の100冊」と略して呼称します。
現在、「達人の100冊」の冊子を手に入れることは非常に難しくなっています。僕の手元にもありません。岩波書店にメールにて伺ったところ、以下のような返答が届きました。

冊子そのものを手に取ってみたい気持ちもありますが、いずれ縁があることを祈って、今はぐっとこらえます。
100冊のリストそのものは岩波文庫別冊『岩波文庫の80年』で確認することができます。
この「達人の100冊」すべてを読みきってしまおう!というのがこのブログの当面の目標となります。なかにはすでに読んだことのある作品もありますが、この機会に再読するつもりでいます。
以下は選者と100冊それぞれのリストです。
神津カンナ、島田雅彦、鶴見俊介、中村桂子、福井謙一、丸山眞男、山田太一
『舞姫 うたかたの記 他3篇』森鴎外
『坊ちゃん』夏目漱石
『三四郎』夏目漱石
『こころ』夏目漱石
『夢十夜 他2篇』夏目漱石
『五十党』幸田露伴
『破戒』島崎藤村
『にごりえ たけくらべ』樋口一葉
『寺田寅彦随筆集(一)』寺田寅彦
『濹東綺譚』永井荷風
『小僧の神様 他10篇』志賀直哉
『高村光太郎詩集』高村光太郎
『銀の匙』中勘助
『啄木詩集』石川啄木
『萩原朔太郎詩集』萩原朔太郎
『宮沢賢治詩集』宮沢賢治
『童話集 銀河鉄道の夜 他14篇』宮沢賢治
『人間失格 グッドバイ 他1篇』太宰治
『日本唱歌集』
『中原中也詩集』中原中也
『古事記』
『竹取物語』
『古今和歌集』
『方丈記』
『徒然草』
『芭蕉 おくのほそ道』
『一茶俳句集』
『菜根譚』洪自誠
『阿Q正伝 狂人日記 他12篇』魯迅
『中国名詩選』
『イソップ寓話集』イソップ
『ユートピア』トマス・モア
『ヴェニスの商人』シェイクスピア
『ハムレット』シェイクスピア
『ガリヴァー旅行記』スウィフト
『ワーズワース詩集』ワーズワース
『ギリシア・ローマ神話』ブルフィンチ
『ディケンズ短篇集』ディケンズ
『嵐が丘』エミリ・ブロンテ
『怪談』ラフカディオ・ハーン
『サロメ』ワイルド
『カタロニア賛歌』ジョージ・オーウェル
『イギリス名詩選』
『タイム・マシン』H.G.ウェルズ
『不思議な少年』マーク・トウェイン
『ハックルベリー・フィンの冒険』マーク・トウェイン
『オー・ヘンリー傑作集』オー・ヘンリー
『若きウェルテルの悩み』ゲーテ
『グリム童話集(一)』グリム
『影をなくした男』シャミッソー
『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ
『マリー・アントワネット』シュテファン・ツワイク
『変身 他1篇』カフカ
『カフカ短篇集』カフカ
『ほらふき男爵の冒険』ビュルガー
『トリスタン・イズー物語』ベディエ
『ラ・ロシュフコー箴言集』ラ・ロシュフコー
『赤と黒』スタンダール
『愛の妖精』ジョルジュ・サンド
『地獄の季節』ランボオ
『にんじん』ルナアル
『ベートーヴェンの生涯』ロマン・ロラン
『シラノ・ド・ベルジュラック』ロスタン
『恐るべき子供たち』コクトー
『オランダ・ベルギー絵画紀行』フロマンタン
『民話集 人はなんで生きるか 他4篇』トルストイ
『民話集 イワンのばか 他8篇』トルストイ
『アンデルセン童話集』アンデルセン
『クォヴァディス』シェンキェヴィチ
『風姿花伝』世阿弥
『福翁自伝』福沢諭吉
『学問のすゝめ』福沢諭吉
『茶の本』岡倉覚三
『武士道』新渡戸稲造
『後世への最大遺物 デンマルク国の話』内村鑑三
『遠野物語 山の人生』柳田国男
『古寺巡礼』和辻哲郎
『風土』和辻哲郎
『「いき」の構造 他2篇』九鬼周造
『きけ わだつみのこえ』
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎
『忘れられた日本人』宮本常一
『論語』
『孫子』
『ブッダのことば』
『歎異抄』
『ガリア戦記』カエサル
『古代への情熱―シュリーマン自伝―』シュリーマン
『紫禁城の黄昏』R.F.ジョンストン
『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス
『ソクラテスの弁明 クリトン』プラトン
『人生の短さについて 他2篇』セネカ
『読書について 他2篇』ショウペンハウエル
『死に至る病』キュルケゴール
『ツァラトゥストラはこう言った』ニーチェ
『旧約聖書 創世記』
『ロウソクの科学』ファラデー
『アインシュタイン』相対性理論
『共産党宣言』マルクス・エンゲルス
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の世界』マックス・ヴェーバー
なお、このブログでは「読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊」を「達人の100冊」と略して呼称します。
現在、「達人の100冊」の冊子を手に入れることは非常に難しくなっています。僕の手元にもありません。岩波書店にメールにて伺ったところ、以下のような返答が届きました。
<前略>ですが、冊子の一部を画像にて送っていただけました。「達人の100冊」冊子の序文、及び各選者の100冊選定にまつわるエッセイの目次見開きページです。
『読書の達人が選ぶ 岩波文庫の100冊』は、当時文庫の
愛好者のために配布したもので、後に残すという性質の
ものではございませんでした。従いまして、現時点では
社にも数冊参考資料として残るのみで、外には出して
おりません。ご覧になる方法につきましては見当がつか
ないのが実情です。
<後略>

冊子そのものを手に取ってみたい気持ちもありますが、いずれ縁があることを祈って、今はぐっとこらえます。
100冊のリストそのものは岩波文庫別冊『岩波文庫の80年』で確認することができます。
この「達人の100冊」すべてを読みきってしまおう!というのがこのブログの当面の目標となります。なかにはすでに読んだことのある作品もありますが、この機会に再読するつもりでいます。
以下は選者と100冊それぞれのリストです。
選者
網野善彦、遠藤周作、荻野アンナ、奥本大三郎、河合隼雄、神津カンナ、島田雅彦、鶴見俊介、中村桂子、福井謙一、丸山眞男、山田太一
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