読書日記 グッドバイ ワンスモア

本の鹿が日々読んだ作品の感想を書いていきます。 当面の目標は「読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊」を全て読みきること。 その他の本に目移りして道草を食ったりもします。鹿なので。

2014年03月

岩波文庫は本の背表紙の色、通称「帯」によってジャンル分けされています。 赤帯だったら外国文学、黄帯だったら日本の古典というように。 この記事の最後に詳細な分類表をのせておきますが、僕なりに簡潔かつ乱暴に分類を説明してみます。
青帯
政治思想を除いた広範な思想、芸術、自然科学。
黄帯
日本の古典文学。江戸時代まで。
緑帯
日本の近現代文学。
白帯
政治思想。
赤帯
外国文学。


極めて大雑把な説明ですが、まずはこの程度の認識でいいのではないかと思います。 特に青帯と白帯などは厳密に分類できるものではなく、色分けは便宜的なものと捉えてしまってもいいでしょう。

では、以下に詳細な分類を記載します。
帯の色 著者番号 ジャンル
青帯 1-199 日本思想
201-299 東洋思想
301-399 仏教
401-499 歴史・地理
501-599 音楽・美術
601-699 哲学
701-799 教育
801-899 宗教
901-999 自然科学
黄帯 日本の古典文学
緑帯 日本の近現代文学
白帯 1-99 法律・政治
101-199 経済
201-299 社会
赤帯 1-99 東洋文学
101-199 ギリシア・ラテン文学
201-299 イギリス文学
301-399 アメリカ文学
401-499 ドイツ文学
501-599 フランス文学
601-699 ロシア文学
701-799 南北ヨーロッパ文学その他
その他 別冊等

参考
Wikipedia
岩波書店『岩波文庫の80年』
岩波書店『岩波文庫総目録 1927-1987』

「読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊」は、1992年に岩波書店によって作成された小冊子です。識者が選ぶ100冊のリストと、それにまつわるエッセイが掲載されていました。1961年の「100冊の本」や1974年の「新選100冊の本」の発展形と捉えていいでしょう。「100冊の本」や「新選100冊の本」と比べ、白帯(帯についての説明はこちらの記事へ) の数がぐっと少なくなり、かわりに赤帯や青帯が増え、世相を反映したものになっています。また、誰もがタイトルだけなら聞いたことがある古典が多く、これから読書通を目指そうと考えている人が「まずこの100冊から」と取り組むのに適しているように思えます。
なお、このブログでは「読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊」を「達人の100冊」と略して呼称します。

現在、「達人の100冊」の冊子を手に入れることは非常に難しくなっています。僕の手元にもありません。岩波書店にメールにて伺ったところ、以下のような返答が届きました。
<前略>
『読書の達人が選ぶ 岩波文庫の100冊』は、当時文庫の
愛好者のために配布したもので、後に残すという性質の
ものではございませんでした。従いまして、現時点では
社にも数冊参考資料として残るのみで、外には出して
おりません。ご覧になる方法につきましては見当がつか
ないのが実情です。
<後略>
ですが、冊子の一部を画像にて送っていただけました。「達人の100冊」冊子の序文、及び各選者の100冊選定にまつわるエッセイの目次見開きページです。
読書の達人が選ぶ100 (1)
冊子そのものを手に取ってみたい気持ちもありますが、いずれ縁があることを祈って、今はぐっとこらえます。
100冊のリストそのものは岩波文庫別冊『岩波文庫の80年』で確認することができます。




この「達人の100冊」すべてを読みきってしまおう!というのがこのブログの当面の目標となります。なかにはすでに読んだことのある作品もありますが、この機会に再読するつもりでいます。
以下は選者と100冊それぞれのリストです。

選者

網野善彦、遠藤周作、荻野アンナ、奥本大三郎、河合隼雄、
神津カンナ、島田雅彦、鶴見俊介、中村桂子、福井謙一、丸山眞男、山田太一

読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊

緑帯
  • 『舞姫 うたかたの記 他3篇』森鴎外
  • 『坊ちゃん』夏目漱石
  • 『三四郎』夏目漱石
  • 『こころ』夏目漱石
  • 『夢十夜 他2篇』夏目漱石
  • 『五十党』幸田露伴
  • 『破戒』島崎藤村
  • 『にごりえ たけくらべ』樋口一葉
  • 『寺田寅彦随筆集(一)』寺田寅彦
  • 『濹東綺譚』永井荷風
  • 『小僧の神様 他10篇』志賀直哉
  • 『高村光太郎詩集』高村光太郎
  • 『銀の匙』中勘助
  • 『啄木詩集』石川啄木
  • 『萩原朔太郎詩集』萩原朔太郎
  • 『宮沢賢治詩集』宮沢賢治
  • 『童話集 銀河鉄道の夜 他14篇』宮沢賢治
  • 『人間失格 グッドバイ 他1篇』太宰治
  • 『日本唱歌集』
  • 『中原中也詩集』中原中也
  • 黄帯
  • 『古事記』
  • 『竹取物語』
  • 『古今和歌集』
  • 『方丈記』
  • 『徒然草』
  • 『芭蕉 おくのほそ道』
  • 『一茶俳句集』
  • 赤帯
  • 『菜根譚』洪自誠
  • 『阿Q正伝 狂人日記 他12篇』魯迅
  • 『中国名詩選』
  • 『イソップ寓話集』イソップ
  • 『ユートピア』トマス・モア
  • 『ヴェニスの商人』シェイクスピア
  • 『ハムレット』シェイクスピア
  • 『ガリヴァー旅行記』スウィフト
  • 『ワーズワース詩集』ワーズワース
  • 『ギリシア・ローマ神話』ブルフィンチ
  • 『ディケンズ短篇集』ディケンズ
  • 『嵐が丘』エミリ・ブロンテ
  • 『怪談』ラフカディオ・ハーン
  • 『サロメ』ワイルド
  • 『カタロニア賛歌』ジョージ・オーウェル
  • 『イギリス名詩選』
  • 『タイム・マシン』H.G.ウェルズ
  • 『不思議な少年』マーク・トウェイン
  • 『ハックルベリー・フィンの冒険』マーク・トウェイン
  • 『オー・ヘンリー傑作集』オー・ヘンリー
  • 『若きウェルテルの悩み』ゲーテ
  • 『グリム童話集(一)』グリム
  • 『影をなくした男』シャミッソー
  • 『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ
  • 『マリー・アントワネット』シュテファン・ツワイク
  • 『変身 他1篇』カフカ
  • 『カフカ短篇集』カフカ
  • 『ほらふき男爵の冒険』ビュルガー
  • 『トリスタン・イズー物語』ベディエ
  • 『ラ・ロシュフコー箴言集』ラ・ロシュフコー
  • 『赤と黒』スタンダール
  • 『愛の妖精』ジョルジュ・サンド
  • 『地獄の季節』ランボオ
  • 『にんじん』ルナアル
  • 『ベートーヴェンの生涯』ロマン・ロラン
  • 『シラノ・ド・ベルジュラック』ロスタン
  • 『恐るべき子供たち』コクトー
  • 『オランダ・ベルギー絵画紀行』フロマンタン
  • 『民話集 人はなんで生きるか 他4篇』トルストイ
  • 『民話集 イワンのばか 他8篇』トルストイ
  • 『アンデルセン童話集』アンデルセン
  • 『クォヴァディス』シェンキェヴィチ
  • 青帯
  • 『風姿花伝』世阿弥
  • 『福翁自伝』福沢諭吉
  • 『学問のすゝめ』福沢諭吉
  • 『茶の本』岡倉覚三
  • 『武士道』新渡戸稲造
  • 『後世への最大遺物 デンマルク国の話』内村鑑三
  • 『遠野物語 山の人生』柳田国男
  • 『古寺巡礼』和辻哲郎
  • 『風土』和辻哲郎
  • 『「いき」の構造 他2篇』九鬼周造
  • 『きけ わだつみのこえ』
  • 『君たちはどう生きるか』吉野源三郎
  • 『忘れられた日本人』宮本常一
  • 『論語』
  • 『孫子』
  • 『ブッダのことば』
  • 『歎異抄』
  • 『ガリア戦記』カエサル
  • 『古代への情熱―シュリーマン自伝―』シュリーマン
  • 『紫禁城の黄昏』R.F.ジョンストン
  • 『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス
  • 『ソクラテスの弁明 クリトン』プラトン
  • 『人生の短さについて 他2篇』セネカ
  • 『読書について 他2篇』ショウペンハウエル
  • 『死に至る病』キュルケゴール
  • 『ツァラトゥストラはこう言った』ニーチェ
  • 『旧約聖書 創世記』
  • 『ロウソクの科学』ファラデー
  • 『アインシュタイン』相対性理論
  • 白帯
  • 『共産党宣言』マルクス・エンゲルス
  • 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の世界』マックス・ヴェーバー
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